SHRDLU:自然言語理解の先駆け
要約
- Terry Winograd が1968〜1970年にMITで開発したプログラム。DEC PDP-6上で動作する「ブロックワールド」という限定領域を通じて自然言語理解をシミュレートし、Micro PlannerとLispで実装された。
ポイント
- SHRDLUは語彙をわずか約50語に絞ることで、ブロック・円錐・ボール・いくつかの空間動詞だけを扱う領域に特化し、説得力のある自然言語理解を実現した。
- 会話履歴をまたいだ代名詞や確定的な参照の解決が可能で、過去のアクションについて因果関係を含む回答もできた。
- ユーザー定義の複合概念をランタイムで学習できた。例えば「steeple(尖塔)」を一度定義すれば、以後その概念で問い合わせや構築が行えた。
- Winograd自身が1991年のインタビューで「ポチョムキン村」と称している。あの有名な対話は1行ずつ手作りされたものであり、想定外の問いに対しては確率的にしか答えられなかった。
- その限界にもかかわらず、インタラクティブフィクションの最初の正式な事例として認められており、Colossal Cave Adventure(1976〜1977年)より先行する。
Hacker News コメント概観
- 唯一の実質的なコメントは、SHRDLUを歴史的遺物としてではなく、今日でも応用可能な設計パターンとして捉えている。限定語彙が物理ドメインに自然にマップされるロボティクスや産業システムにおいて、言語を文脈的な制御レイヤーとして使う発想だ。
- Winograd自身が提起したデモと現実の乖離については特にコンセンサスなし。SHRDLUが種をまいた「AI楽観論→冬の時代」という流れへの直接的な反論もない。
注目コメント
- @Liftyee:SHRDLUスタイルの限定言語インターフェースは、特定のロボティクスや産業ニッチにおいて触覚式コントロールパネルを上回る可能性があると指摘。
英語版: SHRDLU · Original source